こんにちは。リリです。
スピリチュアルや心理学の世界には「インナーチャイルド」という概念があります。
インナーチャイルドとは、私たちの中に存在している、「愛を求めて苦しんでいる幼子」です。
そんなインナーチャイルドは、殆どの人たちの中に存在しているとも言われています。
傷ついたインナーチャイルドは愛を求めて叫び続け、私たちの人生に「苦しみのパターン」を生み出し、汚染していきます。
ですが、私たちはひどい怪我をおった子でさえ、苦しみのあまりに直視できず、それが故にその存在に気がつかないことがあります。
よって今回の記事では、そんなインナーチャイルドの全てを知っていただくために、インナーチャイルドに関する内容を網羅した完全版となります。
自分の中に忘れ去られた傷ついた子がいることに気づくと、深い優しさ、慈悲の心を覚えることもあるかもしれません。
もし、「いつも自分は人生に苦しいパターンにはまっている…。」という自覚がある方は、必見の内容です。
それでは早速いきましょう。
インナーチャイルドの概念とは?
インナーチャイルドとは、基本的に「私たちの心に住まう傷ついた子ども」のことを指します。
スピリチュアル・心理学の世界ではよく登場する用語なので、ご存知の方も多いかもしれません。
インナーチャイルドは、乳児期から青年期、つまり0歳〜23歳くらいまでの間に形成されるとされています。
つまり、0歳から23歳くらいの間に私たちが体験したこと、感じたことによる傷の象徴が、インナーチャイルドです。
ちなみに、私たちの心の中に住むこの内なる子どもは決して一人とは限りません。
時に年齢ごとに何人も存在することがあり、それぞれの傷ついた子どもが私たちの愛を求めて、痛みを訴え続けています。
怒り、傷ついた小さな子どもが大人の私たちの身体の中で生き続けているのです。
私たちはもうこれ以上、苦しみたくなくて、自分なりに少しでも自分を守るために当時の辛かった記憶や経験に触れることをやめていきました。
心の奥深くにパンドラの箱を作って、無意識にその記憶や感情を箱の中に閉じ込めてしまったのです。
その結果、インナーチャイルドは癒されることのないまま、私たちに今まで無視され、傷つき続けてきました。
しかし、無視して閉じ込めたところで、インナーチャイルドが消えることはありません。
臭いものに蓋をしたところで、その臭いものが消えることがないように、傷ついたインナーチャイルドをどんなに頑丈に閉じ込めたところで、その子が消えることはないのです。
逆にその傷が故に、私たちの注意を引こうとあらゆる方法をとって叫び続けるでしょう。
インナーチャイルドに必要なものとは?
じゃあ、そんな傷ついたインナーチャイルドに必要なもの。
それは「愛による傷の癒し」これだけです。
なぜ癒しが大切なのか?といえば、インナーチャイルドの傷が疼き続けている限り、その傷が私たちの人生を汚染しつづけ、心が苦しいままだからです。
(上記の詳細に関してはこれから先の内容で詳しくお話しています。)
インナーチャイルドを癒すことで起こる奇跡には、計り知れないものがあります。
- 人生に繰り返し起こる苦しみのパターンからの解放
- 夢の実現化の加速
- あるがままの自分への愛が深まる
- あるがままの自分で生きるようになり、リラックスできるようになる
- 依存症の完治(個人差があります)
- 長年抱えていた怒り・悲しみからの解放
- 現実が好転していく
上記した内容は、インナーチャイルドが癒されることによって、私たちが受け取る副産物的な恩恵の一部です。
インナーチャイルドを癒すことは、あなたの人生そのものを大きく変えていく威力を秘めています。
ただ、そのためにはまず、私たち一人一人が、インナーチャイルドときちんと向き合う必要があります。
よってまずは、インナーチャイルドがどんな「闇」を生み出し、どんな風に私たちの人生を汚染していくのかを知っていきましょう。
インナーチャイルドの傷が生み出す「闇」
インナーチャイルドの叫び声は無視され続けた結果、「かんしゃく・自暴自棄・自己憐憫(じこれんびん)・他者攻撃」などといったあらゆる形で私たちの表面へと現れることもあります。
傷が愛を受けずに闇の中で彷徨った結果、そのような形で表面化するのです。
時にその闇は暴力的な形で現れることも。
一般的に、インナーチャイルドを持っている人は善良な人(被害者)と捉えられている事も少なくありません。静かで辛抱強く、傷を負っている…と、そんな風に。
ですが、実際はこの世の暴力や虐待の多くもまた、傷ついたインナーチャイルドによって行われていることがほとんどです。
以前、私はアメリカのノンフィクションドキュメンタリー番組を見る機会があったのですがその番組は、「世界の危険な刑務所のリアルな実態を見て回る。」といった趣旨の内容でした。
一人の男性が実際の受刑者と同様の条件で刑務所に1週間ほどだけ入って、そこにいる受刑者の方々たちにインタビューをする番組です。
受刑者の方にインタビューしていくと、そのほとんどが、幼い頃に傷を負っていたり、幼い頃から暴力の連鎖の中で生きていました。中には、苦しみのあまりに自傷がやめれない少年も。再犯率も非常に高いということでした。
その番組を見たことで私は、彼らの中にもまた、強烈なインナーチャイルドがいることを痛感したのです。
結局、暴力・犯罪もまた、インナーチャイルドの叫びであることが多いのです。
人間の精神的苦痛や依存の源泉を探っていくと、多くの場合、インナーチャイルドの問題にぶち当たります。
私たちが、そんなインナーチャイルドの存在に目を向け、味方になって愛を注がない限り、インナーチャイルドは痛みを叫び続け、私たちの人生に苦しみを撒き散らし汚染していきます。
その結果、インナーチャイルドの傷が病や人生の負のパターンにつながることもあります。
インナーチャイルドと病気の関係性
「病は気から」といった言葉があるように、インナーチャイルドの傷が放置されていた結果、病を引き起こすことも0ではありません。
例えば、「怒り」の感情は交感神経からのアドレナリンの分泌を増やします。
このアドレナリンには血小板の働きを活発にして、血液を固める作用があるので、怒りによって血がドロドロになることも。
もし、小さな時に「親に怒りを表現してはいけない。」と教わったのであれば、その子どもは、自分のごく自然な感情を押し込めるようになり、大人になっても大きな怒りを隠そうとします。
その結果、相手を無視したりといった自分の心を閉ざす方向で自分を守ろうとするのです。
四六時中、怒りを抑えていった結果、ある時それが急に爆発することも。そして、あまりにも長い期間、怒りを抑え込んで生きていると、それが自分の人生と心をも汚染し、病を生み出してしまうこともあります。
怒り以外の負の感情も同様に、私たちの身体に影響を及ぼしますし、人生に負のパターンを生み出すこともあります。
インナーチャイルドが人生に生み出す負のパターン
インナーチャイルドの傷が癒されずにそのままになった結果、「自傷行為がやめられない。」「自分にDVを行う恋人に惹かれ続ける。」「いくら職場を変えても同じような対人関係で悩み続ける。」「いつも他者からひどい扱いを受ける。」といったような負のパターンを生み出すこともあるでしょう。
例えば、父親にDVを日常的に受けていた子どもが、その経験がきっかけで「私が暴力を受けるのは私に原因があるからだ。私は暴力を受けて当たり前の存在なんだ。」とそんな信念を築いたとします。
するとどうなるか?その信念が癒えぬまま大人になった結果、その人は自分の信念の通り、DVを働く恋人を引き寄せ続けることとなります。
これもまた、インナーチャイルドの傷が現実に反映した結果であり、傷に愛が向けられない限り、パターンは繰り返され続けます。
ただ、誤解のないようにお伝えしておくと、これらは決して、あなたを怖がらせようとしていっているのではありません。
というのも、インナーチャイルドが生み出す病や、繰り返す苦しみのパターンというのは、あなたの内部が傷ついている、という貴重なサインでしかないからです。
よって、「インナーチャイルドのせいで病気になったらどうしよう?人生がめちゃくちゃになったらどうしよう?」とそんな風に怯える必要はありません。
癒しは「気づき」から始まります。
つまり、インナーチャイルドと向き合おうとしているその時点から、癒しはもう始まっているのです。
よってもし、今実際にインナーチャイルドによる傷の影響で病気や負のパターンが引き起こってしまっている方がいたとしても安心してください。
その病や負のパターンは、あなたがより、あるがままの姿で幸せに軽やかな人生を送っていくための、前向きなサインとして現れたに過ぎないのです。
インナーチャイルドの傷は全て、あなたの内側の愛を求めるサインです。時間の程度差はあれど、癒えない傷は1つもありません。
もちろん、医学的な根拠もなしに無責任に、その結果、全ての病が完治する、とは言えません。
ですが、たとえインナーチャイルドが病気を引き起こしたとしても、その病は私たちの視点を内側へと向けさせ、人生の癒しのきっかけとなることは確実です。
インナーチャイルドと病の関係に関しては、以下の記事でも詳しく記載しています。
インナーチャイルドを癒すには
では、時には病にも繋がるインナーチャイルドの傷は、一体どのように癒していけばいいのでしょうか?
インナーチャイルドを癒すためのその方法についてをお話ししていきます。
インナーチャイルドを癒す上で大切なあり方は、「常に慈悲の視点」でインナーチャイルドに接するというあり方です。
あなたのインナーチャイルドが、たとえどんな感情を持っていたとしても、どんな苦しみを叫んでいたとしても、「全て受け入れて愛しているよ。」と、そんな態度で100%味方であることを示して欲しいのです。
ただ、その中でも大切なのは、強烈な怒りが出てきた時に、相手を責めることを味方するのではなく、あくまでも感情の発散に対しての肯定的な態度をとることです。
インナーチャイルドを癒す目的は、誰かをジャッジすることにはなく、自分自身を癒すことにあります。ジャッジは癒しを妨げますので、怒りが出てきた際には、怒りを純粋に発散することにフォーカスしましょう。
相手もまた、強烈なインナーチャイルドを持っているが故に、あなたを傷つけたのかもしれません。
結局、「加害者」とされる人も皆、あらゆる形で愛を求めて叫んでいるのです。
そんな前提を踏まえた上で、癒しは行われていきます。
まずは、インナーチャイルドと繋がり、インナーチャイルドの苦しみの声を聞いて、今まで与えてこなかったぶんの愛を思いっきり与えてあげましょう。
インナーチャイルドに愛を注ぐ方法の更なる詳細は、以下の記事で詳しく記載しています。
癒す上での重要ポイント:インナーチャイルドを抱きしめる
インナーチャイルドを癒す上で大切なのが、「インナーチャイルドを優しく抱きしめること」です。
アメリカの発行しているサイエンス誌では、抱擁すると幸せホルモンである”オキシトシン”が分泌されると発表されました。
「オキシトシン」は「抱擁ホルモン」という別名までつくほど、抱きしめるという行為は人に安心感・幸福感を与えます。
ちなみにこれは余談ですが、母親は子どもを産んだ時にオキシトシンが多量に出るような仕組みになっているそうです。
ーEMIRAより引用
「そもそもオキシトシンは、『愛情ホルモン』とも呼ばれ、女性の妊娠・出産時に大量に分泌されるホルモンとして医療業界では有名でした。」
だからこそ、母親は子どもを産んだ時、子どもに対して、深い愛情となんとも言えない多幸感を味わうことが多いんだとか。
そんな幸せホルモン、「オキシトシン」の効果を一部、ご紹介します。
- 幸福感に満たされる
- 不安感・恐怖感の現象
- 癒し効果によりストレスが緩和
- 自分や他者に対しての安心感・信頼感の増加
- 学習意欲や記憶力の増加
- 免疫力の向上
上記からもわかるように、抱擁のパワーって想像以上にすごいんです。
素晴らしいですよね。
そしてもっと素晴らしいのは、そんな抱擁のパワーを、自分自身で自分のインナーチャイルドに与えることができる、ということです。
インナーチャイルドが求めているのは、知識としての愛ではなく、体感としての愛です。
だからこそ、「抱擁」という行為は、インナーチャイルドに対して理屈抜きに愛を注ぎ、愛を体感してもらうための、素晴らしい行為となるのです。
抱擁する時は、自分の内側に入っていきインナーチャイルドと繋がり、「抱きしめてもいい?」と優しく問いかけます。答えがイエスだったら、愛情いっぱいにインナーチャイルドを抱きしめてあげましょう。
その時、実際に自分を自分の腕で優しく抱きしめてあげても良いでしょう^^
インナーチャイルドを抱きしめることで、彼らは安心して心を開き、あなたに深い部分の感情を見せてくれるかもしれません。
時には涙が出てくることもあるかもしれませんが、そういう時はそのまま感情を感じ切ってあげましょう。そうしてインナーチャイルドにもたらされるのは、「傷の深い部分での癒しと安心感」です。
インナーチャイルドセラピーについて
インナーチャイルドの癒しに関連して、「インナーチャイルドセラピー」というセラピーも存在します。
私が通常行なっているノンデュアリティセッションでも、必要な際にはインナーチャイルドに対するセラピーを行なっています。トラウマや依存傾向を癒す際にもインナーチャイルドが密接に関わっていることが多いので、セラピーを必要としている人は多いです。
セラピーもまた、インナーチャイルドを癒すことが目的とされているので、内容は上記したインナーチャイルドを癒すやり方と重複しますがセラピーでは癒しをより本格的に行うために、「誘導瞑想」であったり「インナーチャイルドを癒すワーク」が行われることもあります。(私が行なっているのもまた、1人1人のインナーチャイルドと向き合い、対話して癒していくやり方です。)
他にも、自分自身で行うことのできるセルフセラピーもあり、その方法などは以下の記事で詳しく説明しています。
インナーチャイルドが学べる本
世の中には、インナーチャイルドに関して学べる本もたくさん存在します。
ただ、沢山あるが故に、「一体、どれから学べば…。」とそんな風に悩んでしまう方もいるかもしれません。
そんな人に向けて、今回オススメの本を3冊厳選しました。
- インナーチャイルド
- 和解
- ホ・オポノポノライフ
上記の3冊は、インナーチャイルドに関して、それぞれ違う視点・立場から語られています。
インナーチャイルド:心理学的な視点からの見解
和解:仏教的な視点からの見解
ホ・オポノポノライフ:ハワイの叡智の視点からの見解
ですが、全ての教えに共通しているのが、「インナーチャイルドに無条件の愛を注ぐことで癒しが起こる」ということです。
その前提がある上で、それぞれの視点でインナーチャイルドの癒しを学ぶことができるので、より多くの角度から、インナーチャイルドへの理解を深めることができます^^
それぞれの本の詳細に関しては、以下の記事で詳しく説明しています。
インナーチャイルドとハイヤーセルフを繋げよう
インナーチャイルドは、いつも私たちの愛情を求めて、怯えて苦しんでいる存在だということがわかったと思います。
そんなインナーチャイルドに無条件の愛を注ぐことで、インナーチャイルドは初めて安心し、少しづつ心を開き癒されていく…ということも今回お話させていただきました。
そんな自分に対しての”無条件の愛の実践”は、あなたとハイヤーセルフとが、繋がり生きる事であると言い換えることもできます。
ハイヤーセルフはまさに神そのものとしての愛です。そんな愛を私たちを思い出し、インナーチャイルドに注ぐことができます。
それはどういうことかといえば、前述したように「どんなインナーチャイルドであっても、あるがままに受け入れてあるがままに愛する。」ということ。
そのためにはまず、自分に対する慈愛の心を育てましょう。
あなたが、たとえ許せない自分に出会ったとしても、また、誰かを批判したい自分に出会ったとしても、そんな自分に対して「そんなに怒り狂うまで、苦しかったんだね。」と言ってあげられるような慈しみの視点を育むのです。
また、そんなハイヤーセルフの視点とつながる方法として、「インナチャイルドカード」の存在も挙げられます。
インナーチャイルドカードは、神託カードと呼ばれる「オラクルカード」であり、あなたとハイヤーセルフを結び、インナーチャイルドの課題や苦しみを表面化する手助けを行なってくれるツールです。
よって、こういったツールに手助けしてもらいながら、ハイヤーセルフと繋がり、無条件の愛をインナーチャイルドに注いでいく実践を行うことも素晴らしい癒しのワークとなるでしょう^^
終わりに
以上、今回はインナーチャイルドに関して、1から10までお話させていただきました。
いかがだったでしょうか?インナーチャイルドがどんな存在であるのか、大体でも理解ができたのではないかと思います。
今回の内容の重要ポイントを10点、まとめます。
- インナーチャイルドとは?
→私たちの心に住まう傷ついた子ども - インナーチャイルドが形成される時期は?
→人によって様々だが0歳〜23歳くらいまでの間に形成される - インナーチャイルドの傷は私たちの人生を汚染する
- インナーチャイルドの傷は私たちを被害者にも加害者にもする
- インナーチャイルドが病を引き起こすことも0ではない。
→それを恐れる必要はなく、「気づき」のきっかけにしていけばいい - インナーチャイルドを癒す上で大切なのは”限りない慈悲の視点”
- インナーチャイルドを癒す上で”抱擁”は大きな癒しのきっかけになる
- ”抱擁”はオキシトシンを生み出し、幸福感を増大させる
- ハイヤーセルフと繋がることはインナーチャイルドの癒しにつながる
- ハイヤーセルフと繋がるツール「インナーチャイルドカード」も存在する
インナーチャイルドを癒すということは、自分に向けた愛の実践そのものです。
全ての人々が、今まで沢山の傷をおいながら、それでも頑張って生きてきたことだと思います。
その結果がどんなものであれ、その人それぞれに、その時の自分が考えうるベストを尽くして生きている、そう思います。
外側の世界にばかり目を向けていると、いつもやるべきことに追われて、自分への慈しみ・思いやりがないがしろになってしまいがちになることもあるでしょう。
それもまた間違いではないのですが、もうそろそろ傷を癒してもいい頃かもしれません。
もう、肩の重荷をおろして、人生の苦しみのパターンから抜け出してもいい頃です。
そのためにもインナーチャイルドを癒していきましょう。
あなたには限りなく幸せになる権利があります。それはインナーチャイルドの幸せでもあり、世界の平和でもあります。
この記事が、そんな、あなたの平和・世界の平和の一助となれば幸いです。
愛を込めて。
リリ