こんにちは。リリです。
私たちの人生には時に、「受け入れがたい現実」が訪れることがあります。
それは、大切な試験に落ちた時かもしれないし、大切な友人に裏切られた時かもしれないし、政府が不正をした時かもしれません…。
人それぞれ、様々な状況パターンがある事かと思います。
そんな風に、人々は、人生が自分の望むようにいかなかったり、避けたい現実が起こってしまうと、その都度、失望したり苦しんだりしますよね。
その結果、多くの人が、自分の人生を必死にコントロールしようとしてきました。
そんな人々が抱え続けている悩み、苦しみに対して、疑問を投げかけた女性がいます。
その名も、バイロン・ケイティ。
彼女は人々が抱えるあらゆる悩み、苦しみに対して「私たちの心を乱すのは、現実に起きていることではなく、起きていることに対する考えです。」と断言しました。
そんなケイティの生み出した「ザ・ワーク」(以下ワーク)は、”書く瞑想”と呼ばれ、今では世界中の人に実践されています。
悟り人として有名なエックハルト・トールもこの「ワーク」を以下のように絶賛しています。
他にもスピリチュアル界のベストセラー作家エリカ・ジョングや心理学博士ウェイン・ダイアーなどあらゆる人がケイティの「ワーク」を絶賛しています。
では、「ワーク」とは一体どんなものなのか、そしてバイロン・ケイティとは一体どんな人なのか、今日は深掘りしていこうと思います。
バイロン・ケイティの「ワーク」とは?
「ワーク」は、「苦しみは、自分自身の選択である。」「自分の信念・考え方が変われば、悩みは消失する。」というケイティの思いを軸に作られた、実践ワークです。
よって、「苦しみの原因となっている考えを突き止め、探求すること」
これがワークの軸となるものです。
「ワーク」の仕組みは非常にシンプルですが、その効果は非常にパワフルです。
今回、わかりやすいように、「ワーク」の仕組みを流れとして書いてみました。
ストレスを解決するためには、その背後にある思考・信念を調べれば良い
自分が色眼鏡をかけて世界を見ていたことに気づく
上記の流れが「ワーク」の流れです。とてもシンプルですよね。
ただ、その効果は侮れません。
というのも、「ワーク」を実践していると、必ず、取り組んだ悩み・ストレスからの解放が起こるといっても過言ではないからです。
もちろん、その効果には個人差があるでしょうが、真剣に取り組んだ人の多くは、この深い解放感を味わっています。
この世界には善も悪もなく、ニュートラルな愛としての本当の自分に還っていく。
そんな実感が自然と自分の内側に呼び覚まされて行きます。
その結果、「あるがままの人生をあるがままに愛する。」という事が起こっていきます。
また、私は悟り的セラピストとして、これまで、「バガヴァッド・ギータ」や、「奇跡講座」、禅関連の本など、あらゆる悟りの本を読んできましたが、ケイティの「ワーク」は非常に悟り的観点と、”気づき”を含んでいます。
「あるがままに生きる。」という在り方はまさに悟りを見出した人の在り方です。
それもそのはず、ケイティの身に起こったことは、まさに悟りのエッセンスを含んでいたのです。
バイロン・ケイティとは?誰なのか?
(引用元:https://thework.com/)
「ワーク」を生み出したバイロン・ケイティ(以下ケイティ)は、元々アメリカの普通の女性でした。
ケイティは、アメリカで順調なキャリアを送りながらも、10年に渡り、怒り・妄想・絶望が酷くなるばかりで、そのうちの2年は酷い鬱に苦しみ、家から出ることもできないほどの状態だったそうです。その結果、ついには、摂食障害者の入院施設に入ることに。
ただ、ケイティの怒りがあまりに深いために、周りの患者からは恐れられ、彼女は屋根裏部屋に入れられることになります。
そんな境遇の中で、ケイティは、「自分はベッドになる価値すらない。」と考え、床で寝ることにします。
そして目を覚ました時、彼女は「私(自分の自我)」という考えが全く消え失せているのに気づきました。
当時のことをケイティは、以下のように描写しています。
−バイロン・ケイティ
全ての怒り、悩み、「私の世界」、そして全世界が消え、その瞬間、心の奥底から笑いが込み上げてきました。
従来の自分の知覚で認識できるものが何もありませんでした。
まるで、自分ではない他の何かが目覚めたように。
「それ」は喜びにあふれていました。自分と分離しているものや、受け入れられないものが何もないのです。
全てが、ただありのままの姿で存在していました。
そして、その変化を知った大勢の人がケイティの家を訪れたそうです。
その後、多くの人に自分(ケイティ)の感じた平安を体感してもらうために、形式化したのが、この「ワーク」でした。
「ワーク」のメソッドの特徴
「ワーク」は、基本的に「4つの質問と置き換え」という非常にシンプルなメソッドを軸に展開していきます。
自分の取り組む信念・思考を決めたならば、それに対して、以下の4つの質問と置き換えを行っていきます。
「4つの質問」
- それは本当でしょうか?
- その考えが本当であると、絶対に言い切れますか?
- その考えを信じる時、あなたはどのように反応しますか?
- その考えがなければ、あなたはどうなりますか?
「置き換え」
- 「内容を反対」に置き換える
- 「相手に対して」置き換える
- 「自分自身のこと」に置き換える
上記を基本軸として「ワーク」は展開していきます。非常いシンプルなメソッドながら、その効果の大きさは絶大です。
実際に世界中で活用され、高い評価を得ています。
また、「ワーク」の特徴として、前述した内容に加えて以下の2つが挙げられます。
- 考えを変えるためのものではなく、探求するためのもの
- 必要なのは、探求するオープンな心と紙とペンのみ
上記した2つは「ワーク」の素晴らしさを物語る特徴であり、「ワーク」が国境を越えて愛される理由でもあります。
ワークの特徴1:考えを変えるためのものではなく、探求するためのもの
「ワーク」はあなたの考えを変えようとするものではなく、「そこには一体どんな気づきがあるんだろう?どんなギフトが隠れているんだろう?」というような、探究心が根本として根付いています。
例えば、「〜さんが嫌いだ。なぜなら〜だから。」という信念・思考があった場合。
そんな自分の考えを無理にポジティブに変えたり、無理に相手を好きになろうとするのではなく、「その信念の探求の先には、どんなギフトが隠れているんだろう?」というような、純粋な好奇心を持って行われるのが「ワーク」です。
だからこそ、そこには一切”無理やり感”がなく、非常に自然体でリラックスした気持ちで探求を行うことが可能となります。
ワークの特徴2:必要なのはオープンな心と紙とペンのみ
これも「ワーク」の素晴らしい特徴の1つなのですが、「ワーク」を実践するに当たって必要なのは、自分が取り組む信念・思考に対してのオープンな探究心と紙とペンのみです。
というのも、ワークが前述したように非常にシンプルな仕組みで行われるがゆえに、紙とペン、あとはオープンなマインドさえあれば、実践が可能となるのです。
もちろん、実践には正しい知識が必要となりますが、もし、”実践のコツ”を掴んだ際には、1人であらゆる場所で行うことが可能となるでしょう。(書く瞑想なので、1人で静かになれる場所が良いです。)
このように「ワーク」は、多くの人にとって非常に親しみやすいメソッドとなっています。
「ワーク」があなたにもたらすものとは?
あるがままの世界を愛することを体感的に知ったケイティが生み出した「ワーク」が、実践者にもたらすもの。
それは簡潔にいうならば、「あるがままの世界を愛する本当の自分としての視点・在り方」です。
それは「寛容さ、深い受容性、慈悲深さ」と言い換えることもできると思います。
この視点がある人とない人の違いは計り知れませんし、その視点によって受け取る人生のギフトは本当に大きいです。
- 自分を惨めにしていた思考からの解放
- 人間関係の飛躍的改善
- ストレスや不安の減少
- 自分を大切にし、愛する気持ち
- 自由な心
- 他者と自分への慈しみの気持ち
- 重い荷物を下ろしたような軽やかさ
- インスピレーションともいえる”気づき”
- ジャッジする心の終焉
- 自分自身のエゴの解体
- 深い受容性
- 依存症からの解放
今回上記であげた例は「ワーク」実践で実感できる効果のほんの一部です。
1986年以来「ワーク」はこのように世界で何百万もの人々の心を救ってきました。
もちろん、その効果や感じ方は人それぞれでしょう。
ですが、実際、多くの人が、自分の負の記憶、感情に対してワークを実践することで、それまで苦しみだらけだったにも関わらず、深い平安を見出したり、素晴らしい気づきを得たりしています。
だからこそ、ケイティは人々に「ワーク」の実践を促し、「怒り・苦しむのは”紙の上”(ワークの実践上)にしよう。」と言いました。
自然に内観を促される内容となっている「ワーク」は、書く瞑想、書くヨガと言われることもあります。
「ワーク」にデメリット(弱点)はあるの?
正直、「ワーク」の明確なデメリットというのはありません。
これは個人的な意見ではありますが、「百利あって一害なし。」そんな風にさえ言えるほどの素晴らしさを、「ワーク」は持っています。
ただ、そんな中でも、一般的にぶつかりやすい壁が3点ほど挙げられますので、ご紹介します。
- 探求自体を手間だと感じてしまう可能性もある。
- 1人でやる場合、時に探求の方向性がずれていってしまうこともある。
- 誰にでも勧めて良い訳ではない。
上記3点は人によって当てはまる人と全く当てはまらない人がいます。
よって、それぞれを詳しく説明しようと思います。
①探求自体を手間だと感じてしまう可能性もある。
探求は1つの信念・思考に対して、フルで行う場合、最低でも50〜60分の時間を要します。
「書く瞑想・書くヨガ」と呼ばれるだけあって、その分、書いたり内観する必要があるので、もし本気で取り組む気がない場合、その作業に対して面倒だと感じる人も少なからずいるようです。
ですが、その面倒だという壁を超えて行えば、前述したような素晴らしい気づきが溢れているのは事実です。
また、1人では面倒だけど、誘導してもらったりサポートしてもらえばできる、という方の場合、「ワーク」のファシリテーター(講師)と2人で行うこともできます。
②1人でやる場合、時に探求の方向性がずれていってしまうこともある。
「ワーク」は非常にシンプルな実践ワークですが、ちゃんとした知識がないままで行ってしまうと、時に探求の方向性がずれていってしまうこともあります。
探求の方向性が自分をジャッジする方向であったり、他者をジャッジする方向にいってしまった場合、気づきがもたらされない可能性もあります。
よって、もし「ワーク」を実践する場合、まず最初にちゃんとした知識を身につけた上で、誰かを裁く気持ちではなく、純粋な好奇心、探求心で行うことが大切です。
そのためにも、「ワーク」の本を読んで基礎知識を身につけるのも良いでしょうし、「ワーク」に対してのちゃんとした知識を身につけているファシリテーターにお願いしてワークを行っていけば、間違いありません。
ちなみに、「ワーク」の書籍は以下のリンクよりご確認いただけます。
③誰にでも勧めて良い訳ではない。
「誰にでも勧めて言い訳ではない。」
実はこの言葉は、私が実際に書籍「ザ・ワーク」の翻訳者、ティム・マクリーンさんに聞いたお話です。
ティムさんはケイティに実際にあって、「ワーク」を学んでこのことに気づいたそう。
なぜかといえば、自分の信念を探求する準備ができていない人、もしくは、探求を行いたくない人に勧めてしまうと、時に相手が不快な思いをしたり、ワーク実践がうまく行かないため、だそうです。
「ザ・ワーク」は、決して押し付けられて行うものではなく、本人の自由意志を限りなく尊重した上で、行われるものです。
よって、もし自分の周りに、苦しんでいたり悩んでいる方がいるからといって、その人たちに「ザ・ワークをやるべきだよ!」と無理強いしてしまうと、効果が全く感じられない可能性もあります。
ただ、お相手の気持ちを考慮した上で、少しでも役に立ちたい、と「ワーク」を勧めたくなることもあるかもしれません。それ自体には全く問題はなく、むしろ相手がもし、やる気を示したのであれば、それはそれで全く問題なく、逆に素晴らしいことです。
よって、「ワーク」を誰かに進める場合、あくまでもお相手の意思を尊重した上で、誘ってみることが大切です。
以上、3点が「ワーク」の実践に対して、「一般的にぶつかりやすい壁」のように感じます。
ただ、どれに関してもデメリットと呼ぶまでには至らず、個人の心のあり方次第で、大いに改善していくことができるものです。
それを踏まえて考えると、「ワーク」は本当に、「百利あって、一害なし」といっても過言ではないパワフルな内観方法です^^
「ワーク」を実際に実践してみての感想
これまで、「ワーク」に関して色々お話させていただきましたが、そんな私自身もまた「ワーク」を実践した1人です。
また、書籍「ザ・ワーク」の翻訳者であり公認ファシリテーターであるティム・マクリーンさんと高岡よしこさんに直接習い、彼らのサポートを得ながら「ザ・ワーク」の実践を行ったこともあります。(私も現在、そうした確かな知識を軸に「ワーク」のファシリテーターを行っています。)
そうして何度も「ワーク」を実践してきた私自身の感想を少しシェアさせてください。
私が「ワーク」を実践してわかったこと。
それはまず、「ワーク」は頭で理解するよりも、「実践してなんぼである。」ということです。
というのも、1時間ほどかけてじっくり書き起こしてやっていくことで、その都度、自分の気持ちを認めることが起こり、それがゆえに新たな発見があるからです。
そして、私はそれまで、繰り返し思い出しては私の平安を奪っていた思考に対して、その都度「ワーク」を行っていったのですが、いつでも得られるのは「深い受容性・寛大さ・慈悲の視点(ハイヤーセルフの視点)」と、「自他共へ愛を向けることの大切さ」でした。
「深い受容性・寛大さ・慈悲の視点(ハイヤーセルフの視点)」は時に、それまでの自分自身だったら、決して思いつかなかったような、ある意味閃きにも近い形でやってくることが多々、起こりました。
その都度、今までの自分の視点では到底思いつかなかった視点から、他者へ愛が向けられるとともに、自分自身にもその愛がかえってきて、身体がジーンと熱くなり、感動で涙が溢れてくる…。
そんな体験が何度もありました。
「全ては愛である。」そんな内的確信が、毎回ごく自然に沸き起こっていったのです。
「ワーク」を通して私は、「あるがままに世界を愛する」という事は、深い慈しみを基盤にしているからこそ可能になるという事を再確認することとなりました。
終わりに
というわけで、今回はバイロン・ケイティが生んだ「ザ・ワーク」について、色々とお話させていただきました。
いかがだったでしょうか?
今回の記事が、「ワーク」とは一体どんなものであるのか?、その理解につながれば幸いです。
「ワーク」は前述したように、実際の実体験として、深い絶望・大きな精神的苦痛を超えて「あるがままを愛する」ということを体感を持って知った、ケイティが生み出した”内観実践ワーク”です。
だからこその説得力と、そして本当に実践してこそわかる効果があります。
非常にシンプルなワークでありながらも、それと同時に非常にパワフルなワークであり、私たちを苦しみの信念、怒りの信念から解放し、自由な境地へと導いてくれます。
また、私自身も悟り的セラピー、ノンデュアリティセッションにて、「ワーク」のファシリテートや対話リーディングセッションを行っています。
もしご希望の方は上記リンクより、お気軽にお申し込みください^^
カナダの覚者、エックハルト・トールが言ったように、バイロン・ケイティのワークは、まさに、地球にとって大きな祝福です。
そんな祝福が、あなたにも降り注ぎますように。
それでは今日はこの辺で。
愛を込めて。
リリ